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蜂の子の生食は大丈夫?

古来より山間地域の貴重なタンパク源として親しまれた蜂の子は、慣れた人は生で食べると甘くてクリ-ミーでおいしいといいます。しかし、他の肉類と同じように生食にはリスクを伴います。今回は、蜂の子の生食のリスクと蜂の食性についてご説明します。

寄生虫や雑菌のリスク

肉類を生で食べるには寄生虫や雑菌などのリスクがあるため、必ず火を通して食べます。蜂の子も同じように寄生虫や雑菌などのリスクがありますので、生で食べることは好ましくありません。これまでそのような問題が起こっていないため続けられていますが、人にとって一般的な食品ではなかったということがあります。多くの人が常食として食べる食品ではなかったため、寄生虫や雑菌の問題が取り上げられることがなく、まったく知られていないというだけのことです。日本人の多くが好み親しまれている刺身でさえも寄生虫や雑菌の問題が取り上げられ、適正な調理が必要とされています。蜂の子の寄生虫や雑菌について知られてはいなくても、蜂の食性から生食のリスクを確認することが大切です。

蜂の食性

蜂の子としてたべられる蜂の多くはスズメバチの幼虫やさなぎです。スズメバチはクモやコガネムシ、アオムシなどの多くの昆虫を捕獲し、噛み砕いて肉団子を作ります。成虫自身は肉団子を食べることはなく、幼虫からもらう体液と交換で肉団子を与えます。そのため、昆虫の寄生虫や雑菌は蜂の子に食べられることになります。スズメバチはあらゆる昆虫を捕らえますので、スズメバチ自体やアリ、ゴキブリなどに寄生するネジレバネ、カマキリに寄生するハリガネムシなど多くの寄生虫を取り入れることになります。キイロスズメバチは生ゴミなども食べるため都市部にも定着するといわれるほど何でも食料とします。ミミズや魚の死骸なども巣に持ち帰りますので、どのような菌が付着しているかもわかりません。

蜂の子からの寄生虫や雑菌への感染を防ぐためには、十分な水洗いと加熱が必要です。生食がおいしいといわれる蜂の子も身体のための食品ですから、安全に食べることが大切です。